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「歴史は繰り返される」

東京・企画営業の柴田です。

昨今の金融危機のニュースを見ていると、2000年前後に日本を襲った金融危機を思い出します。大手金融機関の破たん、ゼロ金利政策、公的資金投入、日銀の介入、数日に1回見出しになる株価暴落のニュース。キーワードまで似通っていて、新聞を見ていると既視感におそわれることがしばしば。
当時は金融危機のさなかで、山一證券が破たんした後に、生命保険会社が相次いでなくなっていきました。日産・東邦・第百・平和・千代田生命などです。このうち、千代田生命には破たん前に取材に行ったことがありますが、その時の担当者の暗い目と絶望的な表情が忘れられません。

証券会社、生保会社がこの状況なので、銀行もただではすみません。合併が繰り返される中で、94年のピーク時に45万人いた銀行員は、10年後に42.3%減の26万人強に激減したそうです。その後、前述の千代田生命はAIGグループによって買収され、AIGスター生命として蘇りました。

これを見たA生命の社員は「千代田生命の借金を全部国に払ってもらって、すっかりきれいになったら外資が乗っ取り、S&Pの格付けはトリプルA。冗談じゃない」と怒っていました。ちなみにその時のA生命の格付けはダブルBでした。

その後、AIGスター生命に取材ができる機会があり、優秀な成績を上げた機関長(支店長)に話を聞くと、その秘訣は「辞めた銀行員を営業マンとして雇うこと」。

銀行員は知り合いがたくさんおり、概ね富裕層。だから大型契約を次々に持ってきてくれるとのこと。私のいとこは銀行員であり、子供の頃から「銀行は潰れないし一生安泰」と親に聞かされていた私にとって、隔世の感がありました。

隔世の感といえば、今、そのAIGグループは真っ先に公的資金の注入先となり、日本のAIGグループは売却対象になり、しかも、中国が買収に手を上げるというのだから衝撃的です。数年前のあの当時、新聞記事には保険後進国中国に日本生命などが進出するといった見出しが躍っていました。

禍福はあざなえる縄の如し。今回の金融危機に接し、歴史は繰り返されるものだという思いを強くしております。
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